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Rhus-t.rhus- t.

Ernest A. Farrington ファリントンのマテリアメディカ

RHUS TOXICODENDRON(rhus-t)
アメリカツタウルシ

今朝私が話したいドラッグレメディは、Anacardiaceae(ウルシ科)の主要な仲間、即ち、ポイズンアイビー(ツタウルシ)、Rhus toxicodendronである。あなた方は、このレメディがBryoniaの補完的レメディであり、これが戦争中の流行性発疹チフスのハーネマンの経験によって発見されたものだである事を覚えておかなければならない。ハーネマンは戦争中、2例は失敗したものの、多くのケースを治癒した;その時得られたハーネマンの成功例は各方面に認められた。多くの命がBry.とRhus-t.を交互に提示する事で救われた。;「交互に」とはつまり、Bryoniaの症状がある時はBryoniaを用い、Rhus-t.が必要な症状を示せばRhus-t.という処方である。これは法則に従った正当な「交互」である。私達は、私が前に話した事も思い出さなければならないが、非常に重要なのでここで繰り返そう。つまり、Rhus-t.はApis mellficaにInimical(反目的・不和な・イミニカル)をもたらす。しかしながら、2つの症状は表面的には似ており、またいくつかの理由でお互いがお互いのレメディの後にうまく続けられないという事を、私は説明できない。

私達は、Rhus-t.が、ある1つの大きなレメディグループの中心をなすものだと気がついた。もし、これに関連するもの全てを学ぶなら、数時間かかるだろう。例えば、Rhus-t.が持つ発疹チフスとの重要な関連性、発疹チフスの状態に使われた多くの医薬から広がったチフスとの関連性などである。
Bryoniaは、私が既に話したように、Rhus-t.に非常に近い。別の方向に広げていくと、Arsenicum、また他に、Muriatic acid、Phosphorus、Carbo veg、などとBaptisia、他の多くのレメディがある。

まず、循環系におけるRhus-t.の作用について学んでいこう。
私達はRhus-t.が過敏症、循環の活発化、言いかえれば、血がほとばしるような事を引き起こすと認めている。Rhus-t.は循環器の中心である心臓に作用する。このようにして、Rhus-t.が単純な臓器の肥大、つまり、心臓弁膜破壊に関係しない肥大において示されると気がついた。では何が原因か。しばしば、運動選手において、また重い道具を用いる機械工において起こるような過度の身体疲労のためである。こういった状態において役立つ他のレメディには、ArnicaやBromiumがある。これらのレメディが示される時、余分な心筋線維が適切に吸収されるまで、何日も、あるいは何週間も投与されなければならない。私達は、Rhus-t.はまた、過度の身体疲労に続く動悸で示されると認めている。Rhus-t.が心臓病におけるレメディならば、そこには通常左腕と肩のしびれ(麻痺感)のような感覚が伴わなければならない。患者は、まるで心臓の筋肉が疲労したような、弱った感覚が胸部にある。これはあらゆる身体疲労の後悪化する。動悸はじっと座っている時でさえ感じられるかもしれない。

Aconiteは心臓病に関連して指がピリピリする感じがある。指が、まるでしびれていくような感覚である。Aconiteには不安が常に存在する。

Kalmiaも、心臓疾患を伴う同様の症状が左腕にある。

Pulsatillaは、特に肘のあたりにしびれ(無感覚)があり、それは非常に頻繁に右心室の肥大、あるいは拡張を伴う。

ACTEA RACEMOSA は、まるで腕が身体にきつく縛りつけられているような感覚がある。

PHYTOLACCAは右半身に作用する。Aconite、Kalmia、Rhus-t.が左腕に持つのと同様の感覚が右腕にある。

では、Rhus-t.の脈拍について見てみよう:Rhus-t.は器官の停滞をもたらす。よって、その脈拍は、Aconiteに見られるような、脈をとる指いっぱいに触れるような強い脈の傾向はない。速くなって行くが、しかし拍動は弱まっていく傾向がある。また、不規則だったり、脈が飛んだりする事もある;これら全てがRhus-t.の特徴である。これらの色々な種類の脈に伴い、しばしば私が述べたような左腕のしびれ(無感覚・麻痺)が見られる。

次にRhus-t.のチフスの症状を考察しよう;これによって表すのは「チフスのような症状」で、バイタルフォース(生命力)の低下が示されるような症状である。またRhus-t.を信頼できるものとしてこれに等しく並ぶものに、チフスの形をとるあらゆる急性病がある。この形式として推測される赤痢はRhus-t.を必要とすると気がつくだろう。同様に、似たような体調の腹膜炎、肺炎、猩紅熱、ジフテリアにおいても当てはまるし、他のレメディが積極的に示されていない時も当てはまる。それゆえ、Rhus-t.は毒により汚染された血液に作用するはずである。

チフス熱においてRhus-t.が示される症状は以下のようなものがある:最初の段階では、体温が非常に大きな手がかりとなる。患者はむしろ体温はそれほど高くない。せん妄は穏やかで、激しくない。時々ある事だが、患者はベッドを飛び降りようとする傾向や、逃げようとする傾向を示すかもしれないが、多少なりとも意識はあり、すねたような不機嫌さや、イライラした感じを呈する。そこでは、暴力的な怒りは、Rhus-t.を特徴づけるものではない。このせん妄は、精神面だけではなく身体面の上でも同様に、「落ち着きのなさ」が関係するものだという事が分かるだろう。患者は絶えずベッドで寝がえりを打つ。患者は最初体の一方を下に寝ているが、次に反対側を下にする。そしてすぐに座り、次の間には横たわっている。その時、患者は常に動きたがっていて、体の位置を変える事で患者が楽になる事が出来るのだという事を観察する。時々例外的に、私達は、病気の初めに、完全に静かに横になりたがる患者を見る事がある。これは、非常な衰弱のためである。患者は完全に疲労困憊を感じている。そしてあらゆるものに関心がない。この衰弱の感覚は、他の全ての症状と全く不釣り合いなものである。時々患者は幻覚を見る。
毒を盛られるのではないかと恐れる。患者は、あなた方が処方して彼に置いてきた薬を飲まないだろう。あるいは患者に出された食べ物や飲み物を取らないだろう。なぜなら、患者は、自分と一緒にいる人が、自分を毒殺しようとしていると恐れているからだ。(Hyos.は、この症状がRhus-t.よりも、もっと顕著である) 意識混濁が進行するにつれ、患者は非常にゆっくり答える。その答え方はまるでしぶしぶ、あるいはすねた感じである。;けれど、患者は暴力的ではない。患者は激しい頭痛があり、その痛みを「板が額に縛り付けられたようだ」と例える。これはしばしば、頭がのぼせる事と関係し、顔の突然のほてりにより示される。患者には鼻血があり、これは頭痛で緩和される。鼻血で出て来る血液は、暗い色である。チフス菌は、肺に作用し、肺炎をもたらすかもしれない。その時の肺炎では、疾患に伴い普通の咳、呼吸の困難さ、さびのような色の痰を伴う。;これらの症状全てに伴い、舌が濃褐色になり、乾燥し、ひび割れている事が分かる。舌のひび割れは相当大きく、時々出血している事さえある。また、舌と口が、茶色がかったネバっとした粘液でおおわれている事もある。他に、舌に歯型がついている事もある。ここで、Mercuriusを投与しないで欲しいと君達にお願いしたい。Mercuriusはチフス熱においてはほとんど使用しない;黄疸様の症状があると結論づけない限り、Mercuriusはケースをダメにしてしまうだろう。Rhus-t.の舌の手がかりとして、非常にしばしば三角の赤い乳頭状突起がある。胃腸障害がある。患者は黄色っぽい茶色の下痢があり、死体のような臭いがする。便が、睡眠中不随意に出るかもしれない。尿も、不随意にもれ、赤みがかったシミを残す事もある。患者は、ほとんど耐え難い背部痛を伴い、足に引き裂かれるような痛みを訴える。眠りに落ちても、落ち着きがなく、野原をさまよう夢、骨の折れる労働を引き受けるという夢を見る。時々(Bryoniaのように)、その日の仕事の夢を見る事もある。

Aurum、Causticum、Aurum Mur.もまた、この足の落ち着きのなさがあり、夜悪化する。
体の表面は乾燥し、熱く、しばしば平常時より赤い。皮膚に赤い斑点が見られる事もある。
発汗がある時は、大量で、酸っぱい臭いで、粟粒性発疹を伴う。
腹部は鼓腸がある。;そして特に、重要な2点以上の敏感さがある。右腸骨部分と、脾臓のあたりで、その部位の臓器が腫れているのだ。最後に、排便は量が少なくなり、緑色っぽく、しぶり腹(テネスムス)は伴わない。女性は、子宮出血があるかもしれないが、これが症状を緩和する事はない。肺のうっ血症状が現れるかもしれない。胸全体から、ラ音が聞こえる。特に、肺下葉の問題は顕著である。咳は、最初乾燥していて、次により頻繁になり、そして血痕痰 でゆるむ。これらはチフス熱の治療において、Rhus-t.が望まれる事を導く主な症状である。それが他の同様なレメディから区別されるか、非常に簡潔に、私が示そう;最初に、Rhus-t.に続く可能性のあるいくつかのレメディについて話しをしよう。

肺炎性の症状がRhus-t.に屈しず、また下痢が続く時、PhosphorusはRhus-t.の後うまく続く。
便は黄色く、血液が混じり、「真水」に見える事もある。

Arsenicumは腸チフスの過敏な状態において、Rhus-t.に続くべきである。ひどい疲弊にも関わらず、患者は人生の最後の時までなおイライラし、不安である。Rhus-t.であるにも関わらず、ひどい衰弱が続き、口が黒ずみ、下痢が継続する。ここで、私に忠告させてほしい。初心者はArsnicumを早く与えようとしがちである。もし、Ars.を早く投与してしまえば、ただ、防ごうと努力している問題を急き立てるだけになる。Ars.は、それが示されている時は非常に素晴らしいレメディであり、間違って使われれば、恐ろしいレメディである。従って、私は、「チフス疾患の過程の中で、明らかにArs.を必要とする症状が示されない限り、早く投与するな」と言う。Rhus-t.のように、Ars.は落ち着きのなさ、疲弊、顕著な腹部症状がある。喉の渇きが激しい。痛みは焼けるような特徴を持つ。排便は茶褐色で、悪臭があり、血液が混じり、深夜以降はより頻繁である。

Muriatic acidもまた、過敏な状態においては有効である。Muriatic acidとRhus-t.は共通の症状が多い。Muriatic acidは腐敗がより明確な時に使われる;疲弊がひどく、患者は非常に衰弱し、ベッドの足もとのほうへズリ落ちる。便と尿が不随意に出る。

またRhus-t.の不活発な状態に似ている他のレメディもある。この主要なものがCarbo Veg.である。Rhus-t.の患者は、しばしばCarbo veg.の状態に至る。その場合、患者は全く無力(不活発)で、反応さえ示さない。足は冷たく、特に足首下から膝にかけて冷たく、冷たい汗が覆っている。脈拍は早く、弱い。腸からの分泌は恐ろしいほど悪臭がある。

他にBaptisiaもある。これはRhus-t.を使っている患者の舌が茶色、あるいは黒っぽいもので覆われ、顕著な熱がある時に示唆される。顔には濃い赤さがあり、酔っぱらったような見た目である。患者は眠そうで、知的鋭敏さが欠如したような状態であある;患者は質問に答えながら眠る;あるいは、落ち着きがなく、ベッドで寝がえりを打つ。そのとき、自分が2人いるとか、自分がバラバラになっているような幻想があり、自分をもう一度1つにする事に努めなければならない。患者は、ベッドが硬過ぎると不平を言う。舌にはアフタ性潰瘍が散りばめられている。

ArnicaとBaptisiaは両方、眠そうで、知的鋭敏さを欠いた状態。患者はベッドが硬過ぎると不平を言い、質問に答えながら眠る。けれど、Arnicaには、完全な無関心さがある; 体に斑状出血やじょく創がある。Arnicaはまた、便や尿を不随意にする;また肺も影響を受けていれば、痰に血が混じる。

衰弱がひどくなるか、完全な感情鈍麻を伴う衰弱がある時、Phosphoric acidはRhus-t.の後にうまく続く。便は血が混じっていて、粘液性がある。鼻血が起こっても、症状を改善する事はない。

TARAXACUMもまた、精神的なものをもたらす。ベニングハウゼンの息子が腸チフスに侵され、ベニングハウゼンにより看護された。彼の症状の中には、私が既にRhus-t.について述べたような「落ち着きのなさ」という特徴があったが、Rhus-t.では緩和がなかった。マテリアメディカを調べ、ベニングハウゼンはRhus-t.と同様Taraxacumにも、足の落ち着きのなさと、引き裂かれるような痛みがあり、また加えて息子に見られる「地図のようになった舌」という症状もTaraxacumにあると気がついた。ベニングハウゼンは Taraxacum を処方し、素早くその結果を得られた。

チフスの状態におけるBryoniaについては、来月に譲る事にしよう。その時、Bryoniaの詳細について講義をする。

次に、発熱の別の形態としてRhus-t.によりもたらされる循環障害、即ち、間欠熱を見よう。
Rhus-t.は寒気が片足に始まる間欠熱、この寒気は通常太ももであるが、ここに始まる間欠熱に適応となる。時々、肩甲骨の間でこの寒気が始まる間欠熱もある?(この病気で、寒気がどこに始まるかを注意する事が非常に重要となる。NATRUM MUR.tpEupatoriumでは寒気は腰のくびれた部分に始まる;Gelsemiumは寒気が脊椎を駆け上がる。)寒気の間、乾いた、しつこい咳があるが、これはまたChichonaとSulphurにおいても見られるだろう。外側の寒気に伴って、内部には熱さがある。喉の渇きはない。しばしば、私達は皮膚の症状にも、蕁麻疹と単純疱疹のようなものが見られる。単純疱疹のようなものは、口の周りに見られる。発汗は顔を除く全身にある。

次に、Rhus-t.の線維組織への作用について勉強しよう。そしてこの線維組織に、腱膜、筋肉の腱、関節付近の靭帯、結合組織を含めさせていただきたい。Rhus-t.の他に、これほど線維組織に卓越した作用をするレメディはない。まず、筋肉の腱への作用について話そう。身体疲労によるものか、捻挫のように突然くじいたものか関わらず、私達はRhus-t.が炎症に役立つ事を認める。また、身体疲労から起こる多くの疾患にRhus-t.を投与できる事も分かっている。例えば、音楽家が管楽器の演奏を長く続けたために肺出血を患う時など、Rhus-t.はこの音楽家のレメディとなるだろう。もし激しい運動のために、麻痺的状態になったら、この問題はRhus-t.で解決するだろう。

ここで、身体疲労のための弊害に使う事ができる他のいくつかのレメディの話しをしよう。この講義の目的の、他のレメディとの区別ができるようになるためである。

Arnicaは靭帯よりも筋繊維により作用する。ゆえに、長時間の疲労の結果、筋肉にひどい痛みがある時、Arnicaが示される。患者はまるで連続的に叩かれたかのように感じる。それはRhus-t.のような緊張して強ばった感覚ではない。明らかに関節をくじいた時、靭帯以外の軟らかい部分の相当な炎症がなければ、Arn.はベストなレメディではない。

Arsenicumは過労による影響において、特に、もし、その疲労が険しい坂道や山を登った事によるものである時、考えられるレメディである。ここでは、疲労同様、空気の薄さの影響もある。

しかしながら、Rhus-t.であるという決定に役立つ、全体的な特徴は次の通りである:患者の症状は、動き続ける事により緩和し、一方、動き始める時は悪化を経験する。なぜなら、動き続けると、患者の線維組織がしなやかになるからである。

私は、この特徴について例外があり、それは腰痛として知られる痛みである事を述べよう。動きで患者が好転するかどうかに関わらず、動き始めの疾患にはRhus-t.がレメディである。Rhus-t.を必要とする症状は、起き上ろうとするとひどい痛みがあり、すきま風が吹く中で腰を下ろすとリウマチ由来の首の強ばりがあり、肩甲骨の間にリウマチ性の痛みがあり、温かさで好転し、冷たさで悪化する。また背部の筋肉に、締め付けるような(収斂性の)痛みがある事もあり、それは後方へ曲げると緩和する。

Sulphurもまた、腰の部分に強ばりを伴うリウマチ性の痛みがあり、動こうとすると突然力が抜ける感覚を伴う。

PetroleumとRutaは、背中のリウマチ性の痛みが、起き上がる前、朝悪化する時有効である。

Staphisagriaでは、腰の痛みのため、患者は早く起き上がらざるを得ない。

Kali Carbは腰の部分に鋭い痛みがあり、午前3時に悪化し、そのために患者は起き上がり歩きまわる事を余儀なくされる。腰の部分の痛みは臀部に走る。

Ledumは背中に痛みがあり、長い間じっと座った後の強ばった感覚のようなものかもしれない。
夕方、腰に痙攣性の痛みがある。朝、足が強ばり、硬直する。

Valerianは激しい引っ張られるような、引き裂かれるような、引きつるような痛みを手足に起こし、ゆえに治癒する。それらの痛みは突然現れる。痛みは座る事で悪化し、動くと好転する。患者はまた腰の部分に緊張したような感覚もあり、手足の痛みと同じモダリティを持つ。

リウマチでは、リウマチの素因で見られるひどい炎症ではなく、既に述べた特徴的なモダリティが見られ、湿った天候の間か、湿った場所にいる事で悪化がある時、Rhus-t.が示唆される。他のRhus-t.の特性として、骨のひどく突き出た部分が、触られるとヒリヒリ痛む事がある。例えば、頬骨である。これはRhus-t.は骨膜に作用することを示すものである。また他の特徴として、冷たい空気に少しでもさらされる事に耐えられない、という事がある。

Rhus-t.は、患者が運動で温かくなり、自由に発汗しているのに、その汗が雨や湿気で抑制されたた時、馬にも人間にも使われる。

これらの様々なリウマチ性疾患において、まずAnacardiumと比較してもらいたい。Anacardiumは首のこり、動き始めの悪化がある。

Coniumは動き始めに悪化するが、動き続けると好転する。

LycopodiumとPulsatillaでは、緩和はゆっくりした動きでもたらされる。

Ferrumは、神経痛とリウマチ性の痛みがあり、夜ゆっくり歩き回ると緩和する。

Rhus radicansもまた引っ張られるような、引き裂かられるような痛みが手足にある。頭の後ろにもリウマチ性の痛みがある。痛みが肩に向かう時の胸膜痛や偽肋膜炎にも使われる。

KALMIA LATIFOLIA は肢に下るような引き裂かれる痛みがあり、腫れも発熱もないが、非常な衰弱を伴う。ここにColchicumとの類似性がある。

Rhododendronは天候の変化に強い感受性がある。特に寒い冬の天候への変化と、大気の電気的変化への強い感受性である。Rhus-t.のような手足のリウマチ性の痛みは、休息している間悪化する。Rhododendronは特に、小さな関節に影響がある慢性的リウマチに役立つ。足の親指関節の線維付着があり、尿酸塩の沈殿がない時の、痛風と呼ばれるものへのベストレメディの1つである。

Ledumは、小さな関節の痛風とリウマチ疾患への非常に貴重なレメディである。上方へ向かう特徴的な痛み。関節あたりにコブ(結節)がある。痛風において、ベッドの温かさで痛みが悪化する時Ledumは有効である;足(足首から下)に水腫状態がある時;Colchicumが濫用され、この無力性レメディにより患者の体力が非常に落ちた時。LedumもColochicumも、手足の非常な衰弱と、表面のしびれと冷たさを伴う関節の急性の裂けるような痛みを引き起こす。

あなた方は黒板の図表から、Rhus-t.は細胞組織への作用があると気がつくだろ。Rhus-t.は蜂巣織炎、ジフテリアに伴うもの、膿の形成を伴う眼窩蜂巣炎に役立つ。ここにRhus-t.とApisの明確な差異がある。Apisは、膿瘍を伴う蜂巣織炎は決してできない。

結合組織炎症の炎症の他の形態であるカルブンケルにおいて、その痛みが激しく患部が暗い赤色の時、Rhus-t.はその初めにおいて示唆される。Rhus-t.が早く投与されれば、問題全体を中断させるだろう。もしそうでなければ、後でArsenicum、Carbo Veg、あるいはAntharacinumに助けを求める必要があるかもしれない。

Rhus-t.は皮膚に最も顕著な作用がある。Rhus-t.は紅斑をもたらし、この素早い進行がしばしば水腫を伴う、また最終的な形としては膿みとかさぶたの形成を伴う水疱形成にいたる。発疹があるあたりの皮膚の表面が赤く、ひどく腫れ痛そうに見える。

Rhus-t.は湿疹において示唆される。表面に影響があり、まぶたあたりにゆるい細胞組織の水腫があり、Apisの灼熱痛、刺すような痛みとうまく区別できるものとなる、灼熱感、掻痒感、刺痛(ひりひり、ちくちく)と呼ぶような痛みを伴う。

Rhus-t.はまた、小水泡性丹毒の完璧な像も示す。Rhus-t.が小水泡性丹毒への医療的特性は、頭皮、顔の皮膚、生殖器への特有な親和性を持つ。患部は暗い赤で、炎症があり(疾病にかかっている)、左から右へ移る。

Apisの丹毒は右から左である;患部はバラのように赤く、ピンクっぽいか、暗い紫色。喉の渇きがない。Apisには水腫の存在が必要とされる。

猩紅熱においてRhus-t.が示され、特に、筋脱力症があり、以下の症状があらわれた時、Rhus-t.はBelladonnaに素早くとって代わるべきである。:眠気が出てきたり、落ち着きがなくなっている子供。猩紅熱にしては非常に珍しい症状で、舌が赤くなり、滑らかな事もある。口峡が濃い赤で、特有な浮腫性(水腫性)のものがある。頸部の腺は肥大し、左耳下腺の肥大があるかもしれない。これらの部分に破裂しそうな化膿があるかもしれない。首のあたりの細胞組織は炎症を起こし、この部分の皮膚の表面が濃い赤、あるいは青みがかった丹毒のような色をしている。子供に精神錯乱があれば、その錯乱は常に穏やかなものである。発疹は完全に表れきる事はないが、発疹がある時濃い色で、粟粒となりやすい。Rhus-t.はバイタルフォースにこのように作用する。Rhus-t.は、眠気と穏やかな精神錯乱が示すように、感覚神経を抑制する。分泌物は変わり、刺激的なものとなる。頸部の腺のみならず、体の全ての腺が肥大するかもしれない。特に、腋窩腺が肥大するかもしれない。身体はやつれ、患者は衰弱する。

LACHESISとAilanthusは、この状態で、Rhus-t.にうまく続くが、より筋脱力症的な像を示している。Ailanthusは特にわずかに濃い青みがかった発疹が皮膚にある時、示唆される。喉の内側が腫れている。首の細胞組織が浸潤されている。皮膚を傷めるような鼻からの分泌がある。子供は眠そうで、無感覚である。

ARUM TRIPHYLLUM は、皮膚を傷めるような鼻感冒という点においてAilanthusに似ている。口角はひりひりし、ひび割れ、出血している。唾液でさえ刺激性がある。子供はイライラし興奮性があり、落ち着きがない。(Araceaeの講義を参照せよ)

Belladonnaもまた、この腋窩腺の肥大と硬化があるが、このような状態ではそれほどしばしば考えられない。特に女性において、この症状が疾患の最も重篤な段階で起こる時、役立つ。

天然痘(痘そう)において、膿瘍の中で血がにじむ事で膿瘍が黒くなり、暗い血便を伴う下痢がある時、Rhus-t.が示される。

湿疹において、特に腺病質のケースにおいては、硬く、厚い痂皮(かさぶた)に、さけめと膿の大量の滲出がある時、Rhus-t.とMezereumを比較すべきである。痒みは夜、患者が温かく包まれると、最も激しくなる。時々、病気の主座をにきびが囲む。

特に、黄癬が頭皮、耳の後ろに起こる時、NUX JUGLANS は黄癬のベストなレメディの1つである。
痒みは夜非常に激しく、そのために患者は眠る事ができない。腕とわきの下にかさぶたが表れる。

猩紅熱において、Calcarea Ostrearumを比較する。耳下腺が作用される。顔が腫れ、青白くなったまま、発疹がひく。

次に、Rhus-t.の粘膜への作用について学ぼう。
喉に赤みと浮腫を伴うひどい鼻感冒をもたらす。全ての骨にひどいうずきをと、くしゃみと咳を伴うインフルエンザにおいて示唆される。咳は乾燥しているという特徴があり、夕方から深夜にかけて悪化する。(Mezeremは咳において同じモダリティ)、また体を覆っているものをとる事から悪化する。特に湿気にさらされた時問題が起こった時、Rhus-t.は示唆される。

下痢でRhus-t.が必要な時、便は血液とねばねばするものと、赤みを帯びた黄色の粘液が混ざっている。このようなものは、赤痢の特徴として見るものである。

排便にこの特徴を伴い、Rhus-t.が赤痢で示唆される時、排便中、引き裂かれるような痛みが太ももに向かってある。

腸チフスだと思われる他の腹部の炎症、腹膜炎、腸炎、虫垂炎、盲腸周囲炎、子宮筋層炎などで、私が既に述べたようにRhus-t.が示唆されるかもしれない。

Rhus-t.により治癒できる疝痛があり、リウマチ性なものが由来するものに該当するものもあるかもしれない。ここで治癒できる疝痛は、体を二つ折りにすると緩和する、また動き回ると緩和する疝痛である。これにより、体を二つ折りで緩和するColocynthと区別できる。

次はRhus-t.の頭部の症状である。
めまいがあるが、これは老人には一般的で、座った姿勢から起き上がるとすぐに訪れるめまいである。手足の重たい感覚と関連している。脳の老化の可能性の疑いを示唆する。Rhus-t.はこの状態を緩和するレメディの1つである。時々、動き回ると脳に波がザブンと打ち寄せるような感覚がある。この脳の波が打ち寄せる感覚(Swashing feeling)は、以下のレメディと比較されるものである。:Cinchona、SULPHURIC ACID、 BELLADONNA、SPIGELIA、 CARBO ANIMALIS


Rhus-t.は多くの目の疾患において価値がある。腺病性眼炎において、角膜の上、または角膜近くに小水疱が形成される時、Rhus-t.が役立つと認める。

最もひどい光恐怖症がある。炎症過程に関わるまつげも、痙攣的に閉じる。もし、力づくでまぶたを開いておくようにしようとすると、黄色の膿みが出て来る。目の痛みは夜悪化。

濡れた事により引き起こされた結膜炎にも使える。(Calc. Ost.も使える)

Rhus-t.はリウマチ性、または外傷性由来の虹彩炎にもまた使えるだろう。炎症は脈絡膜(*脈絡膜は、強膜(白目の部分)の内側にある膜)まで広がる事もあるかもしれないが、Rhus-t.はそこまでいたってもまだ使える。目から後頭部まで突き抜けるような走るような痛みで、夜悪化する。目を開けると、熱い涙が大量に流れる。いくつかのケースでは、炎症は化膿に至るまで続く。

緑内障において、Rhus-t.が役立つと示される事もある。

眼窩蜂巣炎において、Rhus-t.はほとんど特有なレメディとなる。他に示唆するレメディがない症状では、Rhus-t.が常に与えられるべきである。

またリウマチ患者が湿気にさらされた後、眼瞼下垂を起こした時のベストレメディの1つである。

ここでCausticumはRhus-t.と最も近いレメディであるが、この症状において、GELSEMIUM、 SEPIA、 KALMIAも考えなければならない。 Kalmiaはまぶたの凝りと目のあたりの筋肉の凝りがある。

Rhus-t.を必要とするリウマチ患者の顔の局所的な症状として、まるで顎が砕けるような顎関節の痛みがある。患者が口で何か噛む動きをするたびに、顎が鳴る。下顎骨が外れやすい時、Rhus-t.が必要とされる。IgnatiaとPetoleumはこの点において類似している。

歯痛において、痛みが冷たさで悪化し、温かいものをあてる事で緩和する時、Rhus-t.は示唆されるかもしれない。これには例外もある。例えば、飛びあがるような歯痛で、痛みが冷たい手を当てる事で一時的に緩和する、というものもある。歯が緩くなったような感じ、あるいはまるで、歯が長くなったような感じがする。歯茎がひりひりと痛み、潰瘍化したように感じる。

色々な形態の麻痺において、特に過労、あるいは湿った所に横たわった事から湿気にさらされて、問題を起こしたリウマチの患者においてRhus-t.が示唆されるかもしれない。湿気にさらされたために問題が起きた時、リウマチ性の腱の髄膜の炎症が、その原因となっていると認めるだろう。

しかしながら、もし湿気にさらされた事で脊髄炎を励起したら、Dulcamaraがレメディとなる。

Rhus-t.は、小児の急性の脊髄麻痺において役立つかもしれない。

これらの様々な麻痺の形態において、SulphurはRhus-t.と補完的な関係を持っている。

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