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Nux vomica(nux-v.)

Caroll Dunham ダナムのマテリアメディカ

東インドで発見された大きな果物の木の種子。この非常に強力な、最も有効な薬が古代人に知られていたかどうかは議論される問題である。薬としての価値を認識され始めたのは、この150年の間のみである。
Nux vomicaはその作用を2つのアルカイド、ストリキニーネとBruceaに基づくとされる;けれども、Nux vomicaの生体への作用は、これらの物質の何れとも同一でない事は臨床で発見されている。
Nux vomicaは非常に苦い。Strichiniaは激烈に苦いので、Nux vomica1グレーン(1グレーン=060648グラム)を666,700グレーン(43kg)の冷水に溶かしても、その溶液はまだその強い苦みを保持し、苦みを感じる。
Nux vomicaは脊髄刺激薬や強直薬に分類されている。現在のNux vomicaの作用の生理学上の理論は脊髄だけに限定されている。
Nux vomicaを少量とると、Stilleによると「消化を乱す」と言われている;胃と口の分泌、肝臓と膵臓の分泌を増加させる。頻尿傾向を起こす。
また多く服用すると閉尿を引き起こす;まず、膀胱頸部に痙攣を起こし、最終的に膀胱筋層の虚脱を起こす。子宮収縮を励起し、月経を促進する。
それは他よりも麻痺した筋肉に素早く作用する。(恐らくそれらは意志力が作用する領域から離れており、反射作用のみを通じ影響を受けるからであろう) 手足に蟻走感、下顎と手足にわずかな硬直をもたらす;全身の筋肉のこわばりと、間代性痙攣を伴う、重い感じと衰弱感。
非常に多い、毒性のある服用では、全体的な落ち着かなさの後、手足と関節がひりひりし、こわばり、重く、痙攣的症状がともに現れる。間代性痙攣、あるいは電気ショックのような激しい筋肉のひきつりがある。
そして、全ての筋肉の強直性痙攣が訪れ、その間、手足はこわばり曲がるか、あるいはピンと伸び、下顎は上顎のほうへしっかり閉じられ、身体は後弓反張のようにアーチ形に反る。呼吸筋の硬直収縮は、呼吸を困難にし、あるいはしばらく呼吸を止める事さえある。皮膚は血流の停滞から土色になる。口角の筋肉は緊縮し、食いしばられた歯の間から、泡が出る。目は一点を見つめ、眉をしかめる。
この恐ろしい一連の症状の最中、マインドは全く影響されず、ほとんど痛みを感じていないようだ。
痙攣は、一般的に静けさで中断されるが、少しの騒音、そよ風、軽いタッチが突然電撃的に痙攣を再発させる。(Stramonium)
ついに、死が無力症あるいは窒息から起こる。
Nux vomicaの最小致死量は3グレーン、Strychniaは1グレーン。
解剖学的な病害は一定ではない。筋肉は硬直し、全ての内臓器官は血液がつまる。これが全てである。
これらはNux vomica作用の最近の研究結果のまとめである。これらは以下の分析に集約されるかもしれない。
Nux vomicaは主に脊髄に作用する。それは筋肉系の反射機能を統括する部分に作用する。
各種作用:筋肉運動を励起、めちゃくちゃな痙攣を引き起こし、筋肉運動がお互いうまくいくような普通の秩序を乱す;最後に、これらの動きが一緒になり、ある種の麻痺をもたらす。
Nux vomicaのより正確で入手可能な知識はハーネマンとその弟子のプルービングに由来する。
その最も優秀なプルービングから、私達は健康な有機体へのNux vomicaの作用分析を以下に行う。

Special Analysis 特別分析
知覚識覚中枢へ影響は以下の通り:精神的作業を嫌がる。主観的思考へのこだわりと関係に熱心で、外部の事柄と関係しない(主観的推論)。プルーバーは言い間違いや書き間違いをしやすい。これは手先のぎこちなさに一致する。
目まいは、 束の間の意識消失を伴う。視野がもうろうとし、よろめく。特に食べている間、食後すぐ起こりやすい;歩いている時、あるいはベッドで横たわっている時でさえある。アルコールで起こる目まいに似ていて、それに対してNux vomicaは本当に特効レメディである。

●頭
頭部。Nux vomicaは、さらに、頭に混乱と鈍さがある。特に朝と食事の後。ひどい、目の回るような重さもあるが、これは特に前かがみになるとある。
頭痛は、押されるような、緊張的な引きずられるような頭痛。主に前頭(額)と眼窩上にある;脳の基底部から後頭部へ広がる事もある。
内部がひりひりする感じがする、まるで斧で殴られたようだと表現される事もある。急性の頭痛では 、たいてい、むかつき、吐き気、夕方の嘔吐のうちいくつかを伴う。
内部がひりひりする感じがする、まるで斧で殴られたようだと表現される事もある。急性の頭痛では 、たいてい、むかつき、吐き気、夕方の嘔吐のうちいくつかを伴う。
Rhus-t.は患者が歩く時、特に上へ登る時、まるで、一歩ごと、一段ごとに脳が緩み、頭蓋骨に打ちつけられるように感じる。
Chinaは頭に非常にいっぱいな感じを伴い、こめかみに向かって押される感じがあり、頭蓋の中で前後にバランスをとっているかのように、また頭蓋骨に打ちつけられているかのように感じるし、たまにひどい痛みがあり、頭を動かさずにはいられない(ゆえに、動く事で好転する)。

●顔 Face
顔で特筆される主な症状は小さい丘疹であり、そのうちのいくつかは膿みを含むものだ。丘疹は、点在し、額、頬、頭皮にあり、にきびのようなものである。Nux vomicaはチーズを食べると悪化するにきびのレメディであるけれども、チーズにより時々起こるひどい便秘はColocynthで緩和される。

●目 Eyes
目の引っ張られるような、押されるような痛み―― まぶた、まぶたの端が厚くなり、ひりひりする。まぶたは朝、膠着する(くっつく)。
目のチクチク、灼熱感、痒みは、こすると緩和される。
結膜炎は時々非常に赤くなり、 ひどい光恐怖症がある。
臨床の経験が、朝と午前中の光恐怖症を特にNux vomicaの指標と考える事を導いてくれた。(Euphrasiaを参照) 患者は午前中、目を覆い、あるいは頭を枕にうずめ、午後何の苦痛もなく見まわす。
特別な感覚として、視界にはっきりと光るようなものや、また黒と灰色の点が目の前に浮かんでいるのも見られる。

●耳 Ears
耳管に、痒みやムズムズがあり、何か飲み込みたくなる。(Gelsemiumは似たようなムズムズ感があり、咳をせざるを得ない。)
耳に縫うような、押されるような、衝撃を与えるようなものがあり、しばしばそれは激しい。耳に摩擦音と、ぴゅうぴゅうする音があり、時々何か動きの早い、製粉機のような音が聞こえる。

●口 Mouth
唇の皮が剥離する;唇の内側の部分と、赤唇縁の潰瘍はひりひりして、くっつく。
(参考:赤唇縁・・・赤唇縁は粘膜がめくれてむき出しになった、女性が口紅を塗る部分である。毛細血管や小静脈がとくに発達している。)
歯茎は腫れ、潰瘍のような痛み;本当の潰瘍が歯茎にあり、引っ張られるような焼けるような痛みがある。
Nux vomicaを示唆する口内炎は、主に胃と腸と睡眠の症状で、Alumina、Borax、Carbo vegetabilisと鑑別される必要がある。

●歯 Teeth
歯に、色々な痛みが起こる。精神的疲労、外気にあたる所へ出る事で、ひりひりする痛みは増大する。(他の全てのNux vomicaの痛み同様である)
痛みは拍動的な、ほじられるような、引っ張られるような痛みで、腫れた歯茎に広がるり、顔の骨にいたる。食べた後悪化し、冷水や冷たい空気、精神的疲労、身体的疲労で悪化する。
舌は半分麻痺したように重くなる。丘疹、小胞が舌の上にある。
口は乾燥しているのに、喉の渇きもなく、アルコールを飲んだ後のようだ。朝、口と咽喉は、どろっとした不快な粘液でいっぱいである。
咽喉は、飲み込んだり、冷たい空気にふれるとすりむけたようにひりひり感じる。硬口蓋は粘膜で覆われ、軟口蓋と口蓋垂は腫れ、唾液を飲み込むと押されるような痛みを伴う。喉に栓があるような感じがあり、嚥下時には他の時と同様感じない。恐らく胃の症状もある。PulsatillaとLachesisは似たような感覚がある;まるで食べ物の固まりが喉にとどまっている感じ。

●喉 throat
喉に、ある種の焼ける感じがあり、胃酸があがってきた後のような、こすって傷つけられたような、ひりひりする感覚が咽頭にある。
Nuxは扁桃腺アンギナ(扁桃炎)や、粘膜下組織には対応しないようだが、舌、口蓋垂、咽頭に限った粘膜の亜急性炎症には対応する。
味覚が非常におかしく、特に早朝はおかしい。酸っぱく、草の、あるいは金属的、またはそれら3つが混ざったような味;特にげっぷの後、腐敗した味のこともある。
苦いこともあり、特に口と咽喉から粘液を吐きだした直後は特に苦い。一般的には、食べ物と飲み物は普通の味がする。
Pulsatillaは、飲食物はしばしば普通の味がしない。Natrum muriaticumは何を食べても味がない。
食欲が一般的に損なわれ、一般的に食べ物への嫌悪があり、刺激、ワイン、タバコに親しむ。
一方、異常な空腹があることもある。

●胃腸
私は、胃障害の発作が頻繁なNux vomicaを必要とする人が、発作の24時間や36時間前、非常に素晴らしい食欲で、特に肉や脂肪への食欲があるのをよく見る。この尋常ではない空腹に気が付いたらすぐに、1日あたりのパンと水のメニューを減らし、発作を防ぐ。
昼食後、胃と、頭、また有機体全体に関係する全ての症状の多くがあらわれ、一般的に夕食後悪化する。(Pulsatillaと異なる)
げっぷは、まるで食道の痙攣からのげっぷであるかのように、一般的に痛みがある。味覚は苦く酸っぱい。
しゃっくりが頻繁で、苦痛な症状。のどの乾きが非常にあるが、水は胃に負担であり、苦痛となる。
吐き気は、コンスタントにある症状。早朝特に吐き気が起こり、食事の直後、一種の失神と病気の感覚を伴う。例えば強い下剤で起きるようなものだ。
嘔吐は、概して酸っぱい粘液と食べ物、時には血ということもある。
胃のあたりは、外から触られることに非常に敏感で、これは一般的に腹部にもあてはまる。服のきつい圧迫が不愉快。胃に重荷があるような圧迫痛があり、これは食べた飲食物が非常に少量でもある。
これらの症状において、いくつかのレメディがNux vomicaに似ている。
Mercuriusは特に、死ぬような気絶が、みぞおちの圧迫によってもたらされる。Calcarea carboniaはみぞおちに敏感さがある。
Lycpodiumは、心気症の人が圧迫されると、みぞおちに痛みがあり、みずおちが圧迫された時、心気症の人は痛む。Lycopodiumは、食欲は良好で、座っても食べるとすぐ、たとえ少しでも胃部にいっぱいな感じがある。Lycopodiumはあちこちに非常にガスがたまるが、Nux vomicaにあるような非常に特徴的な大腸の過敏はない。
SepiaとMurexは、みぞおちに、すっかり全てなくなってしまった感じがあり、午前11時ごろ悪化し、食べたり、横たわると緩和される。
腹部は非常に張った感じがしたり、適度な時もある;呼吸が苦しい。これらの症状は全て冷たい空気の中を歩くと悪化する。
腸に非常に鼓腸がある。突然の胃部の痙攣的痛みの発作。
心臓および幽門部の焼けるような感じ。
Nuxは刺痛、ひりひりする感じ、肝臓部の腫れをもたらし、それらは圧迫同様、動き、深い呼吸で悪化する。
ガスがたまったことによる疝痛のような感じ;キリキリする痛み、まるで石の間にはさまれて、腸が絞られるような痛み。

●便 Stool
飲食直後の、すぐの非常な膨満。無駄な便意を伴う、鋭い痛みが頻繁にある。
Nux vomicaは幼児の疝痛に、Chamomillaより、しばしば良い。つまり、よく示唆される;頻繁に排泄への欲求と、排泄への努力を伴う非常な鼓腸、便秘によるような時;Chamomillaはむしろ下痢。
全ての症状が休息によって、座ったり、あるいは横たわると緩和される。
腹部に、積み荷や重い荷物があるような感じ― 圧迫や生殖器のほうへ引っ張られる感じ、しめつけるような痛みからのようなもの;腹部はひりひりし、敏感。
以下の症状は非常に重要:腹部を取り囲むような部分に衰弱の感覚があり、まるでヘルニアが起こるか、絞扼性ヘルニアが起こるようだ。ヘルニアは実際に現れる。この症状は嵌頓ヘルニアや他のヘルニアへのNux vomica使用の成功を導く。
便に関して、ハーネマンは、
「大量の下痢状の便はNux vomicaで得られる事はないが、Nux vomicaにおいて下痢と呼ばれるのは、粘液が混ざった少しの排泄で、テネスムス、しぶりばらを伴う」、
と記している。この、しぶりばらは、腸のうずき、焼けるよう感じを伴う。
Nux vomicaの最も頻繁、かつ第一の作用は、便秘をもたらすことである。それはまるで腸が締めつけられたり、腸が無活動のようだ。あるいはむしろ、無駄な便意にかられたり、やっと便が出たとしても、不完全で満足できるものではなく、まるで糞便の一部の排泄に失敗したようだ;あるいは、便が非常に硬く、排泄に非常な努力を必要とし、直腸に縫うような痛み、うずきを起こす。排泄の後、座りたい欲求はなくいが、力み続ける。これはMercuriusのようだ。
しばしば便は柔らかく、粘液が混ざり、血がまじる;あるいは糞便とともに、鮮明な血液がある。(赤痢と痔)
特に精神的疲労の後、 直腸と肛門に、鋭い、圧迫痛がある。精神的疲労と食後、直腸に痛みのある締め付け感がある。

●泌尿器
泌尿器:分泌の少なさを伴い、尿をするのに無駄な努力、痛みがある。しばしば、尿に、粘着性の粘液が混じっている。排尿の間、灼熱痛。

●月経
月経はとても早く来て、あるべき期間より長く続く。月経間隔が短すぎる。
腹部に、前の痙攣性運動の後、吐き気、寒気、失神状態を伴う。非常な衰弱と、ひどい頭痛、手足の痛みがあることもある。(月経過多症予期不安と、月経疝痛に有効)

●咳
Nux vomicaは気道に様々なカタル性症状をもたらす。しかし、粘膜下、あるいは実質的炎症は1つもない。
鼻孔はひりひりし、潰瘍形成し、臭覚異常となる;鼻の前に硫黄の匂い、あるいは腐敗したチーズ、あるいはろうそくがあるようだ― 鼻から吸い込む。頻繁に、鼻から薄く、刺激的な液体の分泌があり、鼻孔がつまる。
ひどいくしゃみ。鼻感冒は日中早く、日中流れる。;夕方、鼻感冒は乾燥するが、口も乾燥する。
鼻感冒は日中あり、夕方と夜乾燥する。
声はしわがれていて、ひりひりする; 喉頭は活力がなく、粗く、こすって傷つけられ;プルーバーは咳ばらいをし、のどを常にすっきりする。のどと胸部に適度な粘膜。(鼻感冒とインフルエンザ)
Nux の咳は、体を動かす事、あるいは精神的疲労で誘発される;息を吐き出そうとしたり、朗読など: 1日おきに悪化する;夕方、あるいは夜横たわったあと現れ、眠りにつくのを妨げる。短く乾いているが辛い;しばしば、真夜中から日中まで続く―そして終わる。 ひどい頭痛と、上腹部あたりのひりりする痛みを伴う。
深くはない胸部の咳だが、喉頭からくるようだ。想定以上に、咳におけるより重要なレメディ。
呼吸が苦しい;一種の喘息で夜悪化、また食後悪化;胸部にきつい服を着ることで悪化し、服を脱ぐと緩和。(喘息に有効)
胸部の痛みは、主に概して喘息に伴うような感覚で、失神しそうな咳だと表現される。
心臓の症状はない。
仙骨の部分に、夜痛みがあり、そのためベッドで向きを変える事が妨げられる。
仙骨の緊縮する、しめつける痛み、そこから両側、背中、肩甲骨間が痛む。
打たれたようなだるさと痛み;骨盤に引っ張られるような、押し下げられるような感じ。
手足のだるさ、重さ、うずくような、引っ張られるような痛み。

<General Analysis 全体分析>
Nux vomicaの機能的作用は明らかである。 Nux vomicaは感覚神経中枢に作用するが、他の神経系部分への作用に匹敵するものはほとんどない。Stramoniumとの対比は持ち出されるが、これはNux vomicaに似た強直性痙攣を起こし、同時にひどい躁病ももたらす;しかし、Nux vomicaは痙攣の間、精神的には影響がない。
栄養素・運動(歩行運動)の器官・機能に与える影響は大きいが、精神と感覚に与える影響はほとんどない。Nux vomicaはVeratrum、Camphor、アジアコレラの害と似ているエネルギー。
痙攣の症状や、手足の部分麻痺、顔、あご、のど、食道、腸、尿道の痙攣的症状を伴う体幹の部分麻痺のように、 脊髄の反射機能は、間違いなくNux vomicaの作用領域である。呼吸器官、特に喉頭に、はっきり示される。
しかしながら、この領域に制限されたものとしてNux vomicaの作用を考えるのは間違いである。身体の有機物質にも作用する;これは、とりわけ腸管、尿生殖器と、分泌物の量と質の加減、そして機能を変容させるだけで、構造の変更を引き起こす。アフタ(鵞口瘡)(がこうそう)や痔をもたらし、また治癒する。
このようにNux vomicaの作用は、動植物の機能と臓器の大部分を含む非常に広範囲なものである。感覚中枢神経は深く影響を受ける事はなく、二次的に守られる。皮膚、骨、腺はNux vomicaでは主としては影響を受けない。
周期性。Nux vomicaの作用には明確な周期性がある。通則として述べられる事として、症状は朝悪化する。
特性。数々の特性の中でほぼ全ての症状の中で、特徴として役立つものは、下記の通りである。
症状は朝悪化する。動きで悪化し、冷たい空気にさらされると悪化する。休養、温かさで好転する。Nux vomciaの全ての点はPulsatillaの反対である。
Nux vomicaの睡眠は特殊である。Pulsatillaのように夕方、すっかり目覚めている代わりに、プルーバーは座っている椅子で眠りこむ。眠りは非常に深く、すぐにベッドに入る。一方、夜明け前の1~2時間、プルーバーは眠りを覚まされ、二度と眠れない。あるいは、むしろ半意識の状態でしばらく居眠りをする。そして居眠り前に比べ、より疲労し、鈍い感じで目覚める。
Pulsatillaでは、夕方眠りに落ちるのは難しい。しかし、充分朝まで眠り、起きぬけは物憂い感じ。
多くの症状は食後すぐに悪化するが、一方Pulsatillaは食後数時間まで悪化を起こさない。
症状は精神的疲労、座りっきりの生活で悪化する。それにも関わらず、Nux vomicaの患者はそうしたがる。
イライラし、かんしゃく持ちで、せっかちな性向。落胆があれば、いらいらした種類のものとなる。

<Practical Applications 臨床的使用法>
ハーネマンは、プルービングの紹介において、次のことを述べた。
症状の大部分に、その本人と類似性があり、そして少なくともヨーロッパにおける人類の最も一般的な病気に類似性がある医薬がいくつかあり、ホメオパシーでは最も頻繁に使われる。「ポリクレスト」という用語は、そういったものに用いられ、 Nux vomicaはこの部類に属する。
その効用は、以前は恐ろしいものとされた。なぜなら、これが非常に多くの量でしか試されてこなかったからだ。万が一符合しない時は、傷つけざるを得なかった。けれど、適度の量においては、色々な事例で効能は最も穏やかで最も価値ある医薬となり、その時症状は符合し、健康な人を励起する。
Nux vomicaは主に情熱的な特徴の人、または怒りやすい気質の人、意地を出しやすい人、ごまかしやすい人に好結果となる。月経が数日早くに来すぎたり、あるいは多すぎたら、Nuxはその後起こる問題に適応となる。
この点において、Calcarea carbonicaはNux vomicaに似ている。PulsatillaとSulphurは反対。
このNux vomicaは、眠りにつくまで数時間かかる。1日の他のどんな時より、より穏やかに振る舞う。すぐに眠る必要がある時は、Nux-v.は当然除外されなければならない。
非常に過敏な人にベストとなり、朝、何も食べていない時、あるいは起きぬけには、Nux vomicaをとらないようにする。なぜなら、その最も激しい症状が、そこで呼び起こされるからだ。食事の直前、直後も、とるべきでない。あるいは、頭が非常に使われた時もとるべきでない。あるいは患者は、Nux vomicaや他の医薬をとった後、ただちに、書く、熟考、読書、朗読(暗唱)という自分の能力を使うべきではない。最低2時間、病気の成り行きが悪くなるのを避けるために待たなければならない。
Nux vomicaの病気の中で、特に効果があるのは、多くの慢性病である;例えば、コーヒーのとりすぎ、ワインのとりすぎで引きこされたもので、特に座りっきりの生活におけるそれらである。;あるいは長引く文筆への専念から起こったもの。また、Nux vomicaは多くの流行性疾病と急性の発熱のレメディでもある。主にそれらでは、熱に先行して、あるいは熱にともなって、寒気がある。悪寒の悪影響を防ぐ。
患者が、1日の他のどんな時より朝悪化する時、Nux vomicaは特に、より適合する;午前3時ごろ目が覚め、 多くの考えが心でひしめきあって目覚めたままで、ちょうど夜明けに、知らぬ間に眠ってしまい、眠りの間じゅう、忙しい夢を見る。それによって、疲れて目覚め、起きたくない。Nux vomicaは、眠りの時間の数時間前、椅子で眠りに落ちてしまうような人に適応ともなる。
目まい、頭痛、胃痛、鼓腸、疝痛、便秘、下痢、赤痢、痔、ヘルニア、鼻感冒、気管支炎、喉頭痙攣、喘息、コーヒーとワインの悪影響、間欠熱

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